最近アルトリアが8%以上という驚異的な配当利回りとなっています。
一般的に4%あれば十分高配当株です。
では配当利回りは高ければ高いほど良いのでしょうか?
配当利回り
配当利回り=配当額/株価
で定義されています。
企業の儲けから必要経費を引いた後、株主に支払われるのが配当です。
配当が出ないのは、以下のパターンです。
・儲けが無い
企業がしっかり儲けてないと配当は出せません。
・多額の投資が必要
成長企業はライバル企業とのシェア争いなどで多額の投資が必要な企業も配当は低めです。
例えばアップルやアマゾンは今の競争優位性を保つために新規事業に莫大な投資を行っています。
そのため利益の多くを株主に還元するのではなく投資にまわしています。
そのためアップルは配当利回り約1.39%、アマゾンでは0%(無配)です。
ただしこういった企業は株価の上昇という形で株主に還元しています。
高配当とは
高配当である場合、定義より下記の2つが考えられます。
配当額が高い or 株価が低い
これらに対し、どういう場合に注意が必要なのかをそれぞれ考えています。
配当額が高い場合
企業の年間の利益に対しどれだけ配当にまわしているのか?が参考になります。
これは配当性向とよばれるもので
配当性向=配当額/株価純利益
で定義されます。
配当性向が40%であれば年間の儲けの内40%を配当金として支払っている事になります。
この場合まだ増配の余地があります。
これに対し、現時点で80%を超えていると、今以上の配当は難しいです。
また業績が悪い年があれば減配の可能性すらあります。
そういった企業を除外するための目安として、過去の景気後退でも増配できたかどうかがあります。
配当王や配当貴族に名を連ねる企業がその対象と言えるでしょう。
株価が低い場合
株価は、将来の業績予想も織り込まれた価格になっています。
つまり、その企業が今後の事業活動の中でどれだけ儲けられるか?
が既に現在の株価に反映されているのです。
株価が継続的に下落するということは、今後の利益も下落もしくは横ばいと市場が予想している事になります。
もし利回りのみに注目して銘柄選定をしていると、今後利益の出ない企業に投資する事になります。
利益の出ない企業は遅からず減配の可能性があるので
減益→減配→株価下落
という流れに陥ります。
するとインカムゲイン、キャピタルゲインどころか投下資金すら回収できないという“完全な失敗”に終わるでしょう。
結論
配当利回りは高ければ良いということでありません。
そもそも利益に対する配当性向が高過ぎだったり、配当の源泉である利益が下落傾向だったりすると将来的に、
減配と株価の大幅下落
が起こり、投資が失敗してしまう可能性があります。
重要なのは配当利回りよりも企業の業績ということです。
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