将来に向けた資産形成や月々のCF増大のためには、継続して投資する事が必要条件となります。
もちろん投資すれば大丈夫ということは無く、投資先の経営状態が悪化したり、最悪破綻したりすれば利益はおろか投下した自己資金までもがゼロになってしまいます。
このためポートフォリオを組むことでそのようなリスクを低減できると過去記事で説明しました。
銘柄の買い進め方について
目標に沿ったポートフォリオを考案したら、次は実際に買い進めていくフェーズに入ります。
例えば10種類の高配当銘柄からなるポートフォリオを考えたとしましょう。
どの銘柄から買っていくでしょうか?
これに関しては特にルールはありませんが、モチベーションを保ちやすい方法を2つ考えてみます。
配当権利落ち日の直前に買う
米国株の場合、権利落ち日から配当支払いまでが約1カ月です。(日本は約3カ月なので忘れたころに配当金が振り込まれます。)
そのため買ってから1か月後には投資の成果が残高として確認できるので、モチベーション維持につながります。
実際年間でどのように買っていくかを下表にまとめました。
今回は話を簡単にするために3銘柄に絞りました。
もちろんリスク回避のためのポートフォリオとして3銘柄は少ないですが。
企業名 | 権利落ち月 =購入月 | 配当支払い月 ※権利落ち月の1か月後 |
P&G | 1月 | 2月 |
ジョンソンエンドジョンソン | 2月 | 3月 |
アルトリア | 3月 | 4月 |
P&G | 4月 | 5月 |
ジョンソンエンドジョンソン | 5月 | 6月 |
アルトリア | 6月 | 7月 |
P&G | 7月 | 8月 |
ジョンソンエンドジョンソン | 8月 | 9月 |
アルトリア | 9月 | 10月 |
P&G | 10月 | 11月 |
ジョンソンエンドジョンソン | 11月 | 12月 |
アルトリア | 12月 | 1月 |
米国株は1年に4回配当金の支払いがあります。
そのため上の表のように最低3銘柄買えば毎月配当が入ってくることになります。
以上、効果が早く見えるように買い進めるのが1つ目の方法です。
ちなみに私はこの方法で買い進めています。
投資開始の序盤は高配当銘柄を中心に買う
10種類の高配当銘柄から構成されるポートフォリオを作ったとしても、その中で配当利回りの低い銘柄から高い銘柄があります。
2つ目の方法は序盤において高配当銘柄に絞って買い進めるという方法です。
ただしこれは少数の高配当株に大きな額を入れるので、冒頭でも話したようにリスクを伴います。
これは序盤から高配当銘柄の株数を多く保持する事で、配当金を来月以降の株式購入に活用するという考えです。
ここでも話を簡単にするため配当金は投下資金×利回りとします。
年間投下資金は120万円とします。
配当権利落ち月に買う場合
毎月の購入金額を10万円とすると下表のようになります。
利回りは2019/10/25ベースです。
購入月 | 購入額 | 企業名 | 配当利回り | 受取予定配当金 | 配当金合計 |
1月 | 10万円 | P&G | 2.43% | ー | |
2月 | 10万円 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥733 | ¥733 |
3月 | 10万円 | アルトリア | 7.16% | ¥1,790 | ¥2,523 |
4月 | 10万円 | P&G | 2.43% | ¥608 | ¥3,130 |
5月 | 10万円 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥733 | ¥3,863 |
6月 | 10万円 | アルトリア | 7.16% | ¥1,790 | ¥5,653 |
7月 | 10万円 | P&G | 2.43% | ¥608 | ¥6,260 |
8月 | 10万円 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥733 | ¥6,993 |
9月 | 10万円 | アルトリア | 7.16% | ¥1,790 | ¥8,783 |
10月 | 10万円 | P&G | 2.43% | ¥608 | ¥9,390 |
11月 | 10万円 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥733 | ¥10,123 |
12月 | 10万円 | アルトリア | 7.16% | ¥1,790 | ¥11,913 |
年間の配当金の合計は約1.2万円となります。
では、序盤で高配当株を大きく買った場合どうなるでしょうか?
上の例は均等に3銘柄を買っていく場合でしたが、ある程度リスクを取って、序盤に高配当銘柄1つを、投下資金の半分である60万円で買ったとします。
購入月 | 購入額 | 企業名 | 配当利回り | 受取予定配当金 | 配当金合計 |
1月 | 15万円 | P&G | 2.43% | ー | |
2月 | 15万円 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥733 | ¥733 |
3月 | 60万円 | アルトリア | 7.16% | ¥10,740 | ¥10,740 |
4月 | 15万円 | P&G | 2.43% | ¥608 | ¥11,348 |
5月 | 15万円 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥733 | ¥12,080 |
6月 | 0 | アルトリア | 7.16% | ¥10,740 | ¥22,820 |
7月 | 0 | P&G | 2.43% | ¥911 | ¥23,731 |
8月 | 0 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥1,099 | ¥24,830 |
9月 | 0 | アルトリア | 7.16% | ¥10,740 | ¥35,570 |
10月 | 0 | P&G | 2.43% | ¥911 | ¥36,481 |
11月 | 0 | ジョンソンエンドジョンソン | 2.93% | ¥1,099 | ¥37,580 |
12月 | 0 | アルトリア | 7.16% | ¥10,740 | ¥48,320 |
年間の配当金の合計は約4.8万円となります。
毎月10万円ずつ各銘柄ごとに買い進めた例に対し3.6万円ほど配当金が増えるので、より大きな額を再投資できます。
もちろん来年以降はポートフォリオにおけるバランスを取るために再度調整が必要です。
また別のデメリットとしてはドルコスト法による利点である買い付け価格の平均化ができない事です。
割高な価格で一気に買ってしまうと利回りが低くなってしまいます。
そのためリスクを抑えながら継続的に買い進めていくなら1つめの方法がお勧めです。
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