不動産投資における初心者の失敗。節税について

不動産投資

節税目的として不動産投資を始める場合に気を付ける事として何があるのでしょうか?

節税効果が得られるのは過去記事でも説明したように、減価償却費の計上に伴う赤字決算を出す事によるものです。

毎年赤字決算することによるデメリットを説明します。

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節税効果には期限がある

不動産投資の節税の仕組み

節税効果を得られるのは減価償却費が計上できるからです。

基本的には不動産は土地、建物、建物付帯設備により構成されており、耐用年数による劣化分を経費として計上できるのは、建物、建物付帯設備分のみで土地分は計上できません。土地は経年劣化しません。

土地:劣化しないため、減価償却費無し

建物:躯体により耐用年数が異なるため、毎年計上できる減価償却費も異なります。

RC造:耐用年数は47年。

鉄骨造:耐用年数は19~34年。骨格材の肉厚により異なります。

木造:耐用年数は22年。

建物付帯設備:基本的に耐用年数は15年。

この償却期間が短い方が計上できる減価償却費が大きくなるので節税効果が大きくなるのですが、逆に言えば、短期間しか節税効果は期待できません。

節税効果が得られる具体例

建物:新築RC造、物件価格1000万円

内訳→土地400万円、建物420万円、建物付帯設備180万円の場合

建物分の減価償却費

 耐用年数47年のRC造の償却率は0.22のため、減価償却費は420万円×0.022=9.24万円/年

建物付帯設備分の減価償却費

 耐用年数15年の付帯設備の償却率は0.067のため、償却率は180万円×0.067=12.06万円/年

建物付帯設備分の減価償却費を計上できる、物件取得~15年目までは9.24万円/年+12.06万円/年=21.3万円/年の減価償却費を計上する事で赤字申告でき、節税が可能です。

しかし16年目以降では建物分の減価償却費9.24万円/年しか計上できないため、その年からは黒字申告になり、不動産黒字経営による納税額が本業分の納税額に追加されることになります。

■参考:中古物件における減価償却費の計算について

中古物件の場合、取得した築年数により耐用年数が決定されます。

耐用年数 – 経過年数×0.8 = 残りの耐用年数

<具体例>

建物:RC造、築年数:12年、物件価格1000万円

内訳→土地400万円、建物420万円、建物付帯設備180万円

建物分の減価償却費

47年-12年×0.8=37年(端数が出た場合は切捨てです。) 償却率は0.028であるため、

減価償却費は420万円×0.028=11.76万円/年

建物付帯設備分の減価償却費

15年-12×0.8=5年(端数が出た場合は切捨てです。) 償却率は0.200であるため、

   減価償却費は180万円×0.200=36万円/年

よって11.76円/年+36万円/年=47.76万円/年の減価償却費を計上できます。

耐用年数を短く設定できるため、計上できる償却費も大きくできます。

また既に耐用年数が経過している物件に対しては、

耐用年数×0.2=残りの耐用年数

と定義されています。

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売却時の課税額が大きくなる

保有期間による税率

不動産を売却した際に得られる利益は所得に分類されるため、所得税と住民税が課税されます。

保有期間が5年以下の場合

売却益に対し税率は39.63%となります。

 内訳:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%

保有期間が5年超の場合

売却益に対し税率は20.315%となります。

 内訳:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%

売却益の定義

ここで注意したいのは売却益の定義です。

ここはポイントです。節税効果をうたう不動産業者はこのことには触れません。

売却益 = 売却価格 – 購入価格ではありません。

売却益は下式に定義されます。

売却価格 – 帳簿上の価格

帳簿上の価格とは購入価格から保有期間中の減価償却費分を差し引いた額のことです。

購入~売却時まで節税効果を得るために計上していた減価償却費によって帳簿上の価格が押し下げられ、売却時の税金が増えてしまう、という事です。つまり納税の先送りです。

<例>

・物件購入価格:1000万円

・物件売却価格:1100万円

・減価償却費:40万円/年

・保有期間:6年

・売却諸費用:50万円

・税率:20%(本来は20.315%ですが、ここでは説明のため簡素化させて頂きます。)

×誤った計算方法

{売却価格1100万円-(購入価格1000万円+売却諸費用50万円)}×20%=10万の税金

 手残り金額は

 50万円-10万円=40万円

○正しい計算方法

帳簿上の物件価格:1000万円-40万円/年×6年=760万円

{売却価格1000万円-(帳簿上の物件価格760万円+売却諸費用50万円)}×20%=38万円の税金

 手残り金額は

 50万円-38万円=12万円

 となります。

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次の融資を受けられない

不動産投資のメリットの一つに融資によるレバレッジについては別記事にて既にお話しました。

節税を目的として毎年赤字申告していると、次の物件購入時において融資が出ない可能性があります。

なぜなら金融機関側からしたら毎年赤字を出している個人に対し融資を出すのは回収できないなどリスクがあるからです。

そのため、次の物件購入を検討している方は極力納税することを意識しなければいけません。

目の前の数十万円より今後の数百万円です。

以上節税によるデメリットを見てきましたが、やはり不動産投資とは家賃収入によるCFを意識すべきであり、節税による儲けを狙っていては今後の発展も難しいと考えられます。

節税目的による不動産投資はおススメしません。

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